生活

首都マドリードに緊急事態宣言

今回は、スペインの首都マドリードにスペイン政府より発布された、緊急事態宣言を出すことになった経緯とその内容をより分かりやすく、実際の現地の様子を記事にしました。

また、こんな状況ですが、これから日本からスペインへ入国する方はこちらの記事がおすすめです。

緊急事態宣言にどうしてなったの?

簡単にまとめると、9頃から感染者が増え続けるマドリードで、

マドリード州としては、対策をいろいろ取ってきましたが、

マドリード州
経済的にマドリードの中心地の移動制限はやりたくない

と言うのが本音で、今まで中心地への移動制限を避けてきました。そのため、なかなか感染拡大が止まらないので、スペイン政府が移動制限を厳しくするよう求めたところ、マドリード州が反対しました。

その結果、

スペイン政府
反対するなら、強制的にやらせるために緊急事態宣言出すしかない

ということになったのです。

州と政府がコロナ対策をめぐって対立

詳しく説明すると以下のようになります。

マドリードで9月頃から急激に感染者が増えたため、マドリード州が、マドリードの中心地を除く、一部の感染が多い地域に対して厳しい措置をとってきました。

それでもコロナウイルス感染者が増える一方なので、10月の初めに保健省(スペイン政府)が、マドリード市を含む複数の市に対して移動制限を中心とした措置を実施しようとしました。

しかし、マドリード州は、マドリード市の中心地の移動を制限したくなかったため、マドリード州高等裁判所に、政府の規制内容を人権を侵害する不当なものとして訴えました。

その結果、規制内容の移動制限に関する措置が一時は無効になりました。

政府側としては、移動制限をどうしても強制させたかったため、緊急事態宣言(Estado de alarma)を出しました。この措置は15日間継続されます。

マドリード州と市の違い

マドリード州(Comunidad de Madrid)のなかにマドリード市(Madrid)があります。

一連の流れをまとめると、以下の表の時系列になります。

発令元出来事
8月バルセロナを中心にで感染増加
9月初めマドリード中心に感染増加
9/7マドリード州感染防止措置を追加
9/21マドリード州14日間の移動制限などの対策を一部の地域に実施(9月28日に新たに8地区が追加)
10/1スペイン政府(保健省)移動制限を中心とした措置をマドリードのほとんどの市に適用する新たな措置を追加
10/8マドリード州政府の措置を不当なものとして保健省を裁判で訴え、移動制限の規制が無効になる
10/9スペイン政府(保健省)マドリード州に対抗して、緊急事態宣言(Estado de alarma)を出して、移動制限を強制

どんな規制がされるの?

前回の緊急事態宣言との大きな違いは、他の地区への移動ができないだけで、外出禁止ではないと言うことです。

アルコールでの除菌や対人間の距離などすでに対策が取られていることを考慮した上で今回の措置が取られたのではないでしょうか。

スーパーで距離を取って並ぶ人々

外出制限ではなく、移動制限

外出制限ではないのですが、仕事や学校など必要不可欠な事情以外では、地区の外に移動できません。移動する場合には、その証明書が必要です。

以前行われた緊急事態宣言が、ほぼ外出禁止で、買い物や仕事以外では外に出られないような制限でした。

しかし、今回の措置では、自分の住んでいる地区内での移動は許されています。

マドリード中心地で信号を待つ人々

施設への人数制限

飲食店や教育施設では普段の50%しか入ることができません。また、大体何をするにしても、1グループ最大6名までに規制されています。

お店(バーやレストラン、スーパーなど)

営業時間は22時までです。スペイン人の大好きなディスコは営業停止です。

現地から

現在、マドリード市の中心地に住んでいるのですが、実際に感じた街の様子を紹介したいと思います。

今となっては当たり前の光景ですが、普段陽気でマスクをつける習慣のないスペインですが、例外なくマスクをみんなつけています。

公共交通機関はマスクが義務

中心地の人々の様子

移動制限であることと、州の反対に対しての強制力を持たせるための宣言なのもあって、前の時より、落ち着いています。

ちなみに前回の緊急事態宣言では歩いている人はほとんどいない状況でした。前回の様子はこんな感じです。

ソル広場

「自分の住んでるところから出なければ、外出していい」感があります。

この前の金曜では、22時に全てのお店が閉まってしまうせいか、22時すぎに歩いていたら、いつもより人で溢れかえっていたので驚きました。

久しぶりの3連休(土日の休みにさらに平日の休日が重なる日のことをPuente)の時の様子がこちらです。

人でにぎわう中心街

サッカーはできるの?

練習で取っている対策と、移動制限のなか実際に練習に行けるのか、なかなか試合が始まらない現状をお伝えします。

練習

練習場に入る前に体温を測ってアルコール消毒をします。また、靴の裏も消毒します。

公共(マドリード州の経営する)のサッカー場では、練習をする際には、マスクをつけて練習することが義務付けられています。

マドリードのサッカー協会の感染対策マニュアルがわかりやすいので、見てください。

動画に私の姿も少し映っています。

緊急事態宣言により、マドリード州のリーグに所属するチームは、他の地区に練習場所がある場合は、練習に参加することができません。

しかし、国のリーグに所属するチームは証明書を持参した上で移動して練習に行くことができます。

試合

普段は9月に始まるところが、全てのリーグの開始が遅れているのが現状です。

女子サッカーでは、1部(La Liga Iberdrola)は10月に始まったばかりです。それに続いて2部(Reto Iberdrola)と3部(Primera Nacional)が10月の後半に始まります。

それに続く、マドリード州内のリーグは11月が予定されています。

まとめ

緊急事態宣言の内容は前回の外出禁止と比べると、他の地域への移動を制限するもので少し緩めた措置となっています。

とはいえ、スペインマドリードでは、コロナ感染が広がるのを防ぐために、厳しい対策が取られているのが現状です。

日本でもこれから冬に向けて、感染者が増えてくるとは思いますが、みなさん感染予防に気をつけて健康に過ごされることを祈っています。

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