ファウルは反則ですが、イエローカードやレッドカードとは違って、何回しても大丈夫です。

そのため、スペインでは「一旦プレーを止められる」手段として、戦術としてあえてファウルをするのは当たり前です。

今回は、実際にファウルをどういう場面でどういうやり方で使うと有効なのかを説明していきます。

ファウルとは

ファウルとは、イエローカード(警告)でもなく、レッドカード(退場)でもない反則という意味でここでは使います。

JFAのサッカー競技規則では、ファウルについて以下のように書かれています。

身体的接触を伴う反則が起きたときは、直接フリーキックまたはペナルティーキックで罰せられる。

・不用意とは、競技者が相手に挑むとき注意や配慮が欠けていると判断される、または慎重さを欠いてプレーを行うことであり、懲戒の罰則は必要ない。

サッカー競技規則2021/2022
罰則はなく、ファウルをした場合は直接であれ間接であれ、フリーキックになるということです。

日本とスペインでのファウルの捉え方の違い

こうしたファウルの定義を踏まえて日本とスペインでは、ファウルの捉え方にどのような違いがあるでしょうか。

日本ではファウルは相手を傷つけるような悪い反則と考えられています。良いものとしては捉えられていません。

それに対してスペインでは、反則である一方で、プレーを一旦止められる手段として考えています。

状況によってはあえてファウルをすることで、プレーを切って落ち着く時間を作ることができます。

1点入るか、レッドカードか

スペインでは、もし1点入ってしまうのだったら、それを防いでレッドカードのほうがましだと考えます。
ある試合で点が入ってしまった時に、監督が「どうして反則をしてでも止めなかったのか」とディフェンスの選手に怒っていました。

ファウルを上手く使おう

ファウルは、試合中にプレーを切って時間を作る手段として使うことができます。

ただし、やみくもにファウルをするだけでは、ただの反則になってしまうだけなので、ファウルを有効に使うために重要な点を3点挙げます。

  • 時と場所を選ぶ
  • 相手にケガさせるような危険なファウルはしない
  • ファウル後に相手がすぐにリスタートするのを防ぐ

一番重要なのは、ファウルをする時と場所です。これについては、次の項目で詳しく説明します。

次に、ファウルのやり方ですが、基本的には服を引っ張るなど相手をケガさせないような反則をしましょう。

足を引っかけるなどは危険なプレーにつながる可能性があるので、やらないようにしましょう。

そして時間を作るためにファウルをしているため、ファウルをした後は、相手がすぐにフリーキックをリスタートさせないようにする必要があります。

具体的なアクションとしては、ボールの前に立って、審判が笛を吹いて離れるよう指示されるまで待ちましょう。

ファウルをする時と場所

それでは、ファウルが有利に働く瞬間やシーンはいつでしょうか。

いつでもどこでもファウルをすればいいわけではありません。

ファウルをする時

ファウルをすると有利になる瞬間があります。

他にもチームの戦い方によって変わってくるとは思いますが、ここでは代表的なファウルをするのにもってこいの瞬間を挙げていきます。

ボールを失った瞬間

ファウルをするのにもっとも有効な瞬間は、ボールを失った時、つまり攻撃から守備に変わった時です。

攻撃から守備に変わった時は、もともと攻撃をしていたため、守備に対してチームが準備できていない状態です。特に、速攻で素早く攻めるスタイルのチームは、攻撃陣と守備陣の距離が空いてしまっていることが考えられます。

そこでファウルをして一旦プレーを止めれば、守備の準備をする時間がもらえ、攻撃陣が後ろに戻ってくる時間を得ることができます。

スペインで、攻守の切り替え時にファウルをするための練習をしたこともある

チーム全体が疲れている時

あともう一つの瞬間は、チーム全体が疲れているときです。

特に相手チームが疲れていない状態で、自分のチームが疲れている時には人数をかけて一気に攻め込まれピンチになるかもしれません。

そこで、ファウルをすれば、一旦プレーが止まるので、給水をする時間や一息つく時間を作ることができます。

ファウルをする場所

ファウルをするのに、適切な瞬間があったように、ファウルをするのに適切な場所があります。

考え方としては、フリーキックになっても危険ではない場所、そしてファウルをしようとして誤ってイエローカードやレッドカードにはなりにくい場所を選ぶ必要があります。

サイド

一番ファウルをするのに適した場所はサイドです。

サイドは、ファウルをしてフリーキックになったとしても直接狙うには難しい位置になります。

また、ゴール前ではなく直接得点につながる状況にはなりにくい場所です。そのため、反則をしても危険なプレーとしてイエローカードやレッドカードにはなりにくいファウルをしやすい場所になります。

相手陣地

もう一つのファウルをするといい場所は、相手陣地です。

相手陣地なので、フリーキックで直接ゴールを狙うには距離が遠い場所になります。

攻守の切り替え時のファウルも必然的に相手陣地になることが多いのではないのでしょうか。

まとめ

ファウルは確かに反則ですが、イエローカードでもレッドカードでもないため、何回しても大丈夫です。

そのファウルを「一旦プレーを止められる」手段として考え、攻守の切り替え時などに戦術として使ってみてはどうでしょうか。

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